日本酒の仕込み中に起きたまさかのミス。最悪の事態を回避した杜氏の力量に感服!

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プレスリリースより

2024年12月、日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。

日本酒や焼酎、泡盛といったお酒に今、世界中からあらためて注目が集まっています。

長い年月で蓄積された酒造りの知見は、本当に貴重な文化ですよね。

そんななか、かなりユニークなストーリーを持つ日本酒が登場しました。

千葉県印旛郡の蔵元、飯沼本家から2025年12月中旬に出荷予定の「甲子 酒々井の諸事情(きのえね しすいのしょじじょう)」です。

プレスリリースより

え、商品名に「諸事情」って?

じつはこのお酒、「醸造ミスが起きてしまったもろみを杜氏が試行錯誤の上生まれ変わらせることで生まれた、今回だけの緊急発売商品」なのです。

以下、プレスリリースから引用です。

<前略> 仕込み作業を進めていた中トラブルが起きてしまいました。隣の普通酒を仕込んでいるタンクに投入するはずだった「精米歩合70%の四段用の蒸米」と「醸造アルコール」を、酒々井の夜明けのもろみタンクに誤って投入してしまったのです。
<中略> ミスが起きてしまった当日、連絡を受けた杜氏は眠れない夜を過ごしました。純米大吟醸として仕込んでいたお酒が、ミスの時点で『普通酒』となってしまったこと。また濃度の高いアルコールを投入することで、酵母が死滅し発酵が止まってしまう恐れがありました。一時は日本酒にならないかもという心配がありました。まずは残った酵母の力をなんとか活かして発酵を見守ることとなりました。
<中略> 日々のもろみの状態を見ながら追水を打ち、アルコールを抑え酵母にストレスを与えないよう管理した結果、最悪の事態を回避、23日目でアルコール分15%の時点で上槽をすることができました。<中略> 普通酒となってしまいましたが、商品として自信を持ってお出しできるレベルのお酒までもっていくことができました。できあがったお酒の味わいは、アルコールを添加したのにもかかわらず、もろみ期間中に共に熟して角が取れたのか、特有の醸造アルコール感をあまり感じなかったのには驚きました。甘めの酒ではありますが白麹由来のクエン酸がアクセントになっていて、とても面白い酒に仕上がったと思います。<後略>

日本酒造りに詳しくない人には、少しわかりにくいかもしれません。

簡単にいうと「本来造るはずだったお酒のタンクに違う材料を間違えて入れてしまって、このままだと売り物にならない……という危機に陥ったのを、杜氏さんの必死の努力と工夫でなんとか乗り切って、意外と美味しいお酒ができたよ」という感じです。

プレスリリースより

なんとかなって良かったですね。ミスった人、寿命が縮んだだろうな……。

まあ、ヒューマンエラーは起こるものです。だって、人間の仕事だもの。

今回は、それを挽回してくれたのが杜氏さんの知識と経験と情熱だった。そう、これも人間の仕事なんですよね。

ついでに、こんな「諸事情」を包み隠さず公開し、ユニークな商品名(「諸事情」は北海道の有名蔵元・男山の商標で、許諾済みだそうです)までつけて発売した、経営陣の誠実な態度と商才も称賛されるべきでしょう。

元々、しっかりと根強いファンがいる蔵元さんみたいなので、そのあたりの信頼関係も盤石なんでしょうね。

この冬(だけ)の要注目のお酒です。

プレスリリース

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